きりのいい数字
Kiriban
2004.02.20

 前に家庭内で話題になってちょっと気になってたことがあった。さっきハニー(きゃさりん)に確認したのだが、スターバックスでレギュラーコーヒーのトール(中)と何かのサンドイッチ(ツナか?)を注文したら、ラッキーな気分になったそうだ。
  彼女はレジで「(消費税込み)777円になります」と言われたのだ。きりのいい数字や番号、いわゆる「キリ番」だ。
  そんな単純なコトを思うハニー(ちょっと恥ずかしいよな、次からは「きゃさりん」にしよう)を「ばぁか」と思った。

 実はワタシにもそういうきりのいい好きな数字がある。ただ、ヒトとはちょっとズレているかなと思う。

 昨日の朝、出社前に会社の近くのコンビニでごちゃごちゃっと買い物した。支払いが総額1024円だった。昨日の仕事が散々で、朝から面倒を抱える予感がしていたのだが、1024円と聞いた瞬間、「朝からラッキー」と思った。その後、仕事はかどるはかどる。きゃさりんのことは笑えない。

 コンピュータ系技術系の全員がそうだとも言う自信は全くないが、コンピュータ業界は2進数の世界なので、2の乗数(2,4,8,16,32,64,128,256,512,1024…)とキリのいい数字が一般とちょっとズレているのだ。1000より1024,なのだ。ちょっとビョーキかもしれない。

 もちろんコンピュータ系技術系のヒトでも、そうでないヒトも、それぞれのキリ番を秘めているヒトも多いと思う。16,777,216は24ビットカラーの色数。65,536は16ビットカラーの色数だ。

 キリ番の話とはちょっとずれるが、以下はちょっとビョーキ気味のヒトたちの話だ。あえて名を秘すがすべて実在の人物だ。

 小さい子供、といっても掛け算を習っている小学生に「おーい、2かける2は?」と問い、「4」という正解が返ってくると、答えにどんどん2をかけていき小学生が答えられなくなっても6桁をこえるまで止めないひと。

 ソロバンならぬ電卓を子供(小学生低学年)に持たせ、「2かける2は?」から始まって、自分の知っている乗数計算だけを質問して、子供をケムにまいた上で「スゴーイ」と言わせるやつ。
 たとえば16×16×16は4096だが、256×256を問うて65536をあたかも暗算したように子供に「すごーい」と感嘆の声を上げさせるツワモノもいた。

 ワタシもヒトのことは言えない。一度、甥っ子らに電卓を持たせ「おぢさんは計算が得意。たとえば256×256×256は」と問いを出してから、彼らが電卓をたたくのを待ってしばらく暗算するフリをした後、「えーっと1677万7216だ」と言って電卓の出した数字を見て暗算(!)の正解に彼らが目を丸くするのをにやにやしながら「ソロバン習えばこのくらいの計算はすぐできるようになるでぇ」とわたしには珍しく、教育的な発言をしたことがある。
 でもその後、まだ小学生のひとりが「ぢゃ、777かける777は?」と問われ、「だぁめ、問題はオトナが出すの」と最後に逃げ切るのに大変だった。

 あと、CPUの型式番号にこだわるヒト。友達のバスおぢさん、カナミツさんがクルマを買ったときナンバープレートがたまたま「601」なのをみた仲間たちは、一様に「いいプレートもらったな、『604』ならもっとよかったのに。『601』ぢゃ、ちょっと遅いよな」という発言をした。「遅い」というのはそのクルマのスピードとか加速性能のことではない。
 当時本人はまだマックユーザー初心者だったので、解らなかったみたいだが、プレート番号をほめてもらってニコニコしていた。
  「601」とはIBMとモトローラが共同開発した初代Power PCの形式名、PowerPC601のこと。PowerMacシリーズに搭載されて人気のCPUの型番だった。
  納車時は次世代のPower PC 604が出ていたので、先の「遅い」発言をしたヤツが多かった。安いクルマではないのにね。

 ワタシが後輩のミツノブ君から買った250CCのバイクは「6502」。たまたまなのだが、おぉ、あの往年の名機AppleIIのCPUと同じ型番だったので、ウケにウケた。

 追加料金を払えば自分の好きな番号が選べるシステムになって、「777」などの自分の好きなプレート番号が選べるシステムに変わっても、イソシマさんは自分のレンジローバーに「6502」をつけたもんなぁ。並んで走れば、絵になるよな。(了)