修理とヘルプデスク(その1)
Repair & Help Desk (1)
2004.02.19
仕事柄、といってもワタシの仕事そのものぢゃないんだが、動作がおかしくなったPCの修繕を依頼されることがままある。(寺沢屋サイトのローカルルールで、ウィンドウズを「窓たち」もしくは「PC」、マッキントッシュは「マック」または「Mac」、他のシステムも含めパーソナルコンピュータの一般総称として「パソコン」と呼んでいる)
前の職場では、最初「ワシ、マック屋なんで『窓たち』のことは他の人に…」と逃げていた。でも困っている当人は、いつまでたっても誰にも助けてもらえない。見るに見かねて、途方にくれている人たちの面倒を見ているうちに、いつしか「よろづ屋」状態に。
でも勤務時間中にそれを頼むのはかんべんしてほしい。ワタシにもワタシの同僚にも本業の仕事があるのだ。
また、「急がないから診てくれんか」というヒトに限って、「どうだ?どうだった?」と問い合わせてくる。これもかんべんしてほしい。
相手が遠隔地の場合は電話で「はいそこでどんな画面がでましたか?では左の更新と書かれたボタンをクリックしてください。次に…」とやるのだが、マックならともかく「窓たち」の場合は「(マウスの左または右)ボタンをクリックしてください」とひと手間余計にかかるのが疲れる。みんな簡単に考えているが、そういう相談を受けたことのある人しか解らないかもしれない。
特に自称エキスパートがカスタマイズした「窓たち」をなおすのは「矢印」が「ねずみ」カーソルになってたりしてて問題が複雑になっているケースも結構ある。
昔のマックユーザーにもそういうヒトはいたが、「窓使い」の“エキスパート”がカスタム化したやつは特に面倒だ。当人は「これ、いれとくと便利だよ」と親切心で面倒をみてくれるのはいいが、初心者相手にそれをするなら、やりっぱなしではなく、最後まで面倒をみて欲しい。
故障、これも面倒だ。ほとんどのヒトは「昨日までちゃんと動いてて、何もへんな事はしていないのに、今朝は動かない」と言う。パソコンも工業製品なんだから、部品の寿命などもあるし、オペレーティングシステムはいわゆる毎日状態の変わるナマモノだから、何かのひょうしに突然不調になることはままある。何かのコネクタ(D-sub25のSCSIだと思うが、忘れた)など、挿抜耐久寿命が150回なんてものもあるのだ。モバイルで使って1日2回の挿抜があれば3カ月弱のことだ。
そんなハードの故障には、不謹慎で最近身内に不幸があった人には申し訳ないが、こんなたとえ話をすることにしている。
「おじいさん、昨日までは元気だったのに。と聞いたことはありませんか」と。今でもそれくらいパソコンは壊れやすいものなのだ。それも突然。
マウスやキーボードが消耗品だということを解ってくれない人も結構多い。これらはウチの会社でも酷使されていて、「ベチバチ、ベチバチバチ」と後ろでキーボードの手あかを雑巾かなんかで掃除しているような騒音がするので、おぉきれい好きなやつだ、と思い振り返ると一心不乱に原稿を打っている姿が目に入ったりする。(イワモト、あんたのことだよ)端末は持ち運びを考えて、軽くて薄いモノを選んでいるだから、ちょっとは優しく扱ってほしい。
特にキーボードは鬼門かもしれない。特に誰とは言わないが、コーヒーをこぼすやつ、ココアをこぼすやつ、落花生の皮を鼻歌まじりにむくヤツ、上の本棚(というか資料の山)からカメラを落下させて両方壊すやつとか、自分の私物だったらもう少していねいに扱うだろが、という事故も多い。
現在、社内の液晶モニタには全部保護フィルタを付けている。はて液晶に、それもナナオ(いまはEIZOだ)の高級品は眼に優しいし、フィルタなど不要の装備だが、よくよくきいてみると「ここをこう直せ」などと液晶を前に検討する時に、強めにボールペンで画面をつつく輩が多く、目の保護ではなく液晶本体を守るために保護フィルタを装備しているらしいのだ。何とヒトに優しい会社だろうか。
また、出先から帰って来てノートPCにマウスをつないだものの動かない、というトラブルも結構ある。
これは「規格の奇跡」と身内で呼んでいるが、
偶然にUSBの平コネクタの幅と普段使っている10/100BaseTのネットワークコネクタの幅が同じなので、間違ってUSBマウスのコネクタをネットワークコネクタに差して動かない(あたりまえだ!)というケースだ。
これだけパソコンなしでは仕事ができなくなっている現状をみていると、「社内ヘルプデスク」は必要だ。置けばいいと思う。でもそこには配属されたくないな。
雑談で、会社の幹部が、古いワープロを使っているヒトに「何でパソコン使わんの?」と尋ねている現場に偶然、居合わせた。現場優先で(それでも現場に端末は足らず気味)バックヤードは後回しという現状に気付いていないのか?
私物パソコンの持ち込みについては、また改めて。(了)